4.大人も楽しめる絵本の話 ~ 五味太郎さんの世界 ~

遅い結婚をした40代。
人によっては孫ができる齢になって、
二児の父になった。

生活の変化は山ほどあるが、これからひとつひとつ書いてみようと思う。

はじめは絵本について。

子供の頃には夢中だったけれど、いつの間にか離れてしまった絵本の世界。

自分の子供に読み聞かせをするために、
数十年ぶりに戻ってきた。

一度世間にもまれた大人として読む絵本は、思いのほか面白かった。懐かしいけれど新鮮だ。


なかでも印象深かったのが、五味太郎さんの作品。

昔の記憶にあるのは「みんなうんち」。


今見ても、インパクトのある題名だ。
子供の頃、好きな本だったと思う。

しかし、それ以外に、こんなにたくさんの名作があるとは知らなかった。

今のところ、一番のお気に入りは、

「バスが来た」(1985年5月)

鮮やかな色彩と詩的でシンプルな言葉。「バスが来た」とフレーズが繰り返されるたびに、日常と非日常のはざまの様な不思議な景色が展開する。豊かなインスピレーションがあって描かれたことを感じる作品だ。

繰り返し読んであげているうちに、全部のフレーズと絵を覚えてしまった。

絵本なしで子供に言葉だけを聞かせていると、彼もじっと虚空を見つめて聴いている。同じ絵をイメージしてくれていたら嬉しいな。

その他にも、好きな作品を2つ。

「仔牛の春」(1999年1月)

仔牛の背中で季節が巡ってゆく展開がユニーク。この本も、目が覚めるように色鮮やかだ。

「はやく あいたいな」(1979年8月)

孫と祖母のすれ違いとランデブーの物語。こちらは落ち着いた温かみのあるトーンで描かれている。

もちろん有名なこちらも。

「きんぎょが にげた」(1982年8月)

ロックのリフのように、繰り返すたびに独特の世界をつくってゆく音楽的な言葉。

風変わりで温かく、時に鮮烈な絵の数々。

五味太郎さんの作品、好きだな。

これからも子供と一緒に楽しもうと思う。



コメント

  1. ポチ より:

    店主さんの文章も、素敵ですね。

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