遅い結婚をした40代。
人によっては孫ができる齢になって、
二児の父になった。
生活の変化は山ほどあるが、これからひとつひとつ書いてみようと思う。
はじめは絵本について。
子供の頃には夢中だったけれど、いつの間にか離れてしまった絵本の世界。
自分の子供に読み聞かせをするために、
数十年ぶりに戻ってきた。
一度世間にもまれた大人として読む絵本は、思いのほか面白かった。懐かしいけれど新鮮だ。
なかでも印象深かったのが、五味太郎さんの作品。
昔の記憶にあるのは「みんなうんち」。
今見ても、インパクトのある題名だ。
子供の頃、好きな本だったと思う。
しかし、それ以外に、こんなにたくさんの名作があるとは知らなかった。
今のところ、一番のお気に入りは、
「バスが来た」(1985年5月)
鮮やかな色彩と詩的でシンプルな言葉。「バスが来た」とフレーズが繰り返されるたびに、日常と非日常のはざまの様な不思議な景色が展開する。豊かなインスピレーションがあって描かれたことを感じる作品だ。
繰り返し読んであげているうちに、全部のフレーズと絵を覚えてしまった。
絵本なしで子供に言葉だけを聞かせていると、彼もじっと虚空を見つめて聴いている。同じ絵をイメージしてくれていたら嬉しいな。
その他にも、好きな作品を2つ。
「仔牛の春」(1999年1月)
仔牛の背中で季節が巡ってゆく展開がユニーク。この本も、目が覚めるように色鮮やかだ。
「はやく あいたいな」(1979年8月)
孫と祖母のすれ違いとランデブーの物語。こちらは落ち着いた温かみのあるトーンで描かれている。
もちろん有名なこちらも。
「きんぎょが にげた」(1982年8月)
ロックのリフのように、繰り返すたびに独特の世界をつくってゆく音楽的な言葉。
風変わりで温かく、時に鮮烈な絵の数々。
五味太郎さんの作品、好きだな。
これからも子供と一緒に楽しもうと思う。
コメント
店主さんの文章も、素敵ですね。
ありがとうございます。